【徹底比較】PUMA Velocity Nitro 3と4の違い|定番デイリートレーナーはどう進化した?

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PUMAの定番デイリートレーナーとして高い人気を誇る「Velocity Nitro」シリーズに、最新作となるVelocity Nitro 4が登場しました。前作のVelocity Nitro 3は、クッション性と安定性のバランスが非常に良く、初心者から中級者まで幅広いランナーに支持されてきた完成度の高いモデルです。

その完成形とも言えるVelocity Nitro 3をベースに、Velocity Nitro 4では外観デザインだけでなく、ミッドソール構造や走行フィーリングに明確な変化が加えられています。本記事では、Velocity Nitro 3と4の違いを整理しながら、それぞれがどのようなランナーに向いているのかを詳しく解説します。

Velocity Nitro 3と4の基本スペック比較

モデル発売時期重量(27.0cm)ミッドソール素材
Velocity Nitro 32023年約260g上層:NITRO FOAM
下層:ProFoam Lite
Velocity Nitro 42024年約250gNITRO FOAM(改良版)

VN4では約10gの軽量化が図られています。

ミッドソールの違い

Velocity Nitro 3(VN3)

VN3のミッドソールは2層構造が特徴です。クッション・反発性のある「NITRO FOAM」を上層に配置し、下層には強度のあるEVA系フォーム「ProFoam Lite」を組み合わせています。カカト部分は後方から見ると、上下層を単純に重ねるだけでなく、NITRO FORMを中心にして、ProForam Liteを両サイドから挟む位置に配置し、クッション性と安定性を高次元で両立しています。

着地感としては、かかと着地よりもミッドフット〜フォアフット着地との相性が良く、接地時のブレが少ない印象です。反発は控えめながらも、テンポよく足運びができるため、一定ペースでのトレーニングに向いています。

Velocity Nitro 4(VN4)

VN4ではミッドソールがNITRO FOAM一体型構造へと変更されました。窪みの位置も中央から後方寄りに移動しており、かかと着地時の衝撃吸収性が向上しています。

VN3と比較すると、安定性はやや抑えられたものの、その分クッション性が大きく強調され、非常に柔らかくフカフカした履き心地です。着地時にはミッドソールが大きく変形し、衝撃を包み込むように吸収します。


アウトソール構造の違い

VN3
VN4

VN3:フラットソール構造

VN3は前足部とかかと部が連結されたフラットソール構造を採用しています。ミッドソールの窪みを境とした前足部・後足部の接地面積がしっかり確保されており安定感が高いため、ピッチ走法との相性が良好です。ミッドソールの窪みは中央に配置し、着地時の衝撃はシューズ全体で受け止める構造です。

VN4:セパレートソール構造

VN4では前後が分離したセパレートソール構造へ変更されています。これにより、ミッドソールのたわみを活かしやすくなり、ストライド走法にも対応しやすくなっています。あいにくクッション性の高いミッドソールはネジレに強くありませんが、VN3と比べ横幅を持たすことで安定感を確保しています。また、大きな衝撃を受け止められるようミッドソールの窪みは後方に位置取りし、シューズ中央から後方部のミッドソールで吸収する設計のようです。


重量の違い

重量はVN4の方が軽量です。ミッドソールが一体型になったことで構造がシンプルになり、軽量化に貢献していると考えられます。長時間のランニングでは、この差が脚への負担軽減につながります。

安定性とホールド性

VN3・VN4に共通して言えるのは、立体的なインソール形状とアーチサポートの強さです。足裏の筋力が十分でない初心者でも安心して履ける設計で、ホールド性の高さはシリーズ共通の魅力です。

VN3の安定性

VN3では内側に補強パーツであるパワーテープが配置され、内側への倒れ込みを抑制します。アウトソールも内側がフラット構造のため、土踏まず付近のサポート力は非常に高く、安心感があります。

VN4の安定性

VN4はクッション性と反発性を重視した設計のため、VN3と比べると安定性はやや低下しています。ミッドソールが非常に柔らかいため、ランナーによっては沈み込みを強く感じるでしょう。ただし、カーボンプレート搭載シューズを日常的に使用しているランナーであれば、特に問題は感じにくいレベルです。

使用感の違い

VN3とVN4は、同じシリーズでありながら性格が大きく異なるシューズです。

近年、カーボンプレート非搭載ながら高反発ミッドソールを採用したモデルが増えていますが、VN4へのアップデートからは、反発性をより強調する明確な意図が感じられます。VN4は着地時に大きく沈み込み、その反発を活かして走る感覚が特徴で、ランニング時の爽快感は非常に高いです。
一方で、その反発はカーボンプレートほど強力ではないため、推進力という点ではパワーロスを感じる場面もあります。
それに対してVN3は、適度な硬さがあることで接地時間が短く、シューズの反発特性に神経を使わずに走れます。クセが少なく、非常に扱いやすい点がVN3の大きな魅力です。


VN3からVN4への進化ポイント

VN3からVN4への最大の変化は、ミッドソール構造の変更です。2層構造からNITRO FOAM1層構造になったことで、クッション性が向上し、同時に軽量化も実現しました。

また、アウトソールのラバー面積が減少し、パーツ数が3から4に増えたことで、ミッドソールの特性への依存度が高まり、クッション性がより強調されています。


他モデルとの比較(参考)

ノヴァブラスト(FF BLAST MAX)/ASICS

アシックス史上最大級のクッション性と反発力を両立するミッドソールを搭載したモデルです。ミッドソール硬度はVN4に近い数値で、コンセプトは異なるものの、履いた際の柔らかさや反発感は近い印象です。

¥14,025 (2025/12/29 18:32時点 | Amazon調べ)

ADIZERO EVO SL(LIGHTSTRIKE PRO)/adidas

VN4と同様にカーボンプレート非搭載ながら、ミッドソールの反発力を活かした走りが特徴です。LIGHTSTRIKE PROの硬度はVN4より10%以上高く、より速いペースでのランニングを想定するならこちらがおすすめです。

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まとめ|Velocity Nitro 3と4は目的別に選ぶ

Velocity Nitro 3とVelocity Nitro 4は、見た目こそ似ていますが、走行フィーリングや得意とする用途は大きく異なります。より安定性が高く、テンポの良いトレーニングや強度の高い練習にはVN3クッション性を重視したリカバリーランやLSDにはVN4が適しています。

目安としては、サブ3クラスのランナーの練習用にはVN3、サブ4前後のランナーや脚への負担を抑えたい場合にはVN4が向いているでしょう。VN3からVN4への買い替えを検討している場合は、この性格の違いを理解したうえで選ぶことをおすすめします。

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