2足を比べてみました。比較すると違いがわかりやすく、特徴に合わせた用途などを紹介します。100km以上走りこみ、20km走など実践した結果をご説明します。


比較の前に
レビューの前に、まず販売価格(税別)です。
マジックスピード3 16,000円
ライバルフライ4 10,000円
マジックスピード3 は ライバルフライ4 の1.5倍の価格帯です。
価格差は性能・耐久性にも直結しますので、単純に性能の違いで比較するとマジックスピード3が優位となるのは明らかです。
本来、近しいカテゴリーで比較するなら、MAGIC SPPED – ZOOM FLY 及び HYPER SPEED – RIVAL FLY が相応ですが、使用目的分けて使用することを前提としていたので、カーボンプレート入り・無しの組み合わせを購入しました。
カーボンプレート入り | カーボンプレート無し | |
アシックス | MAGIC SPEED 3 @16000/220g MAGIC SPEED 4 @17000/245g | HYPER SPEED 3 @9700/193g HYPER SPEED 4 @9900/210g |
ナイキ | ZOOM FLY 5 268g ZOOM FLY 6 @17000/246g | RIVAL FLY 4 @10000/233g LYTE RACER |
※重量は27.0cmを基準としています
一般的にカーボンプレートの入ったシューズの方が価格が高く、重量アップとなるのが特徴ですが、
この価格帯ではMAGIC SPEED 3 は軽量ですが、RAIVAL FLY はそれほど軽くないことがわかります。


走った時の軽さ
MAGIC SPEED 3 207g ★★★★☆
RIVAL FLY 4 227g ★★★☆☆
※26.5cm(片足)
両者の間には20g(片足)の差があり、約10%に相当しますので、それなりに差があります。
個性に大きな差があるため、それに惑わされてか、それほど違いは感じられませんでした。
RIVAL FLY
ヒール部分を削ったデザインは、着地時の角度の自由度が大きく意外とメリットが大きいと感じます。シューズの中心から離れた部分の重量が軽いのか、シューズを振り回した際に重たく感じません。
ヒールストライクになる場合もブレーキとなりにくく、体が前方に出て行きやすい感覚もあります。
また、スピード・ピッチの上げ下げに対して適応度が高く、一部の筋肉に疲労が溜まりストライドを小さくし、ピッチ走法に切り替えるなどの場合も調整がしやすく感じます。
MAGIC SPEED
カーボンプレート入りで2万円以下で買えるシューズとしては、207gはかなり軽量な部類です。
一昔前ではターサーがこのあたりの重量でしたので、そこにカーボンプレートが内装されていることを考えると、かなりの進化だと言えます。
正直言うと、走っている際、軽いはずですが着地時に沈み込むため、軽快さが阻害される感覚があります。
20km走での感覚ですので、フルマラソンで使用すると重量差が効いてくるかもしれません。
フィット感
MAGIC SPEED 3 ★★★★☆
RIVAL FLY 4 ★☆☆☆☆
価格に直結する結果ですが、MAGIC SPEEDはアッパーはゴワゴワ感があると思いきや立体的な形状で軽量で強度もありそうですがフィット感は高いです。
一方で、RIVAL FLYはアッパー生地が厚めですが、自分のラストと合っておらず隙間となる部分が多いような感触です。
ヒール部も両者は対照的で、MAGIC SPEEDはかかとを包み込むのに対し、RIVAL FLYはかなりルーズな設計です。


クッション性
MAGIC SPEED 3 ★☆☆☆☆/ゆっくり ★★★★☆/速い
RIVAL FLY 4 ★★★☆☆/ゆっくり ★★★☆☆/速い
カーボンプレートの有無により、着地時の挙動が大きく異なります。
MAGIC SPEED
カーボンプレートの反発を利用するため、それほど良くはありません。むしろ硬い印象があります。
ただ、カーボンプレートがガツンとくる衝撃を抑えてくれるため長距離を走った際の疲労感は、わりと緩和されます。
ソールに一体感があり、ゆっくり走っても地面からの突き上げが収まりません。キロ4~4.5ほどのペースで走らないと良さを感じにくいと思います。
RIVAL FLY
初級者用のシューズと比較すると、ボリュームが小さいと感じますが、ミッドソールが厚いためクッションは効いています。中級者以上向けと割り切れば適当なクッション性です。
キロ5~6分のようなジョグペースでも違和感なく使えます。
接地感
MAGIC SPEED 3 ★★☆☆☆
RIVAL FLY 4 ★★★★☆
クッション性と同じく、違いがありました。
MAGIC SPEED
一体感の強いソールのため、どうしても着地した際の足音が大きくなり気になりました。キロ4分半以上ならリズム良く走れますが、ペースが遅いとバンバンと音を立てる走りになり使いづらいです。
RIVAL FLY
着地した時の感触は良好です。
キロ3分台からLSDまで、幅広く使用でき汎用性は高いです。


アウトソールの耐久性
MAGIC SPEED 3 ★★☆☆☆
RIVAL FLY 4 ★★★☆☆
MAGIC SPEEDは前面が一枚になったアウトソールです。しっかりしたグリップ力があり滑ることはありませんが、ヒール部分に使用するには磨り減りやすい材質です。
RIVAL FLYは前足部にミッドソールがむき出しになった部分があり、耐久性はやや不安があります。また、ヒール部分もオフセットがあるため、アウトソールの面積が小さいことから、やはり持ちが良いとは言えない作りです。
まとめ
両者の価格の違いが、性能差に表れました。
カーボンプレート入りのシューズはスローペースのジョグ用には向いておらず、キロ5分以上のスピードで走らないと、うまく走れず、体への負担も大きいです。実際の本番向けの練習用としてはモチベーションもあがりますが、コンディションが良くない日は使用を避けたくなります。
RIVAL FLYはコストパフォーマンスが高いシューズですが、履き比べるとフィット感が良いとは言えないことがわかりました。故障を予防するためにも、複数のシューズを所有し履き回すことが無難です。


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