ヴェイパーより軽くなったよ! メタスピード スカイ パリ

シューズ

オリンピックに合わせたネーミングで2023年に発売されたアシックスのマラソンシューズ。
パリオリンピックのマラソン男子2位を獲得し、その実力を発揮しました。

メタスピードスカイパリ → ストライド型ランナー向け
メタスピードスエッジパリ → ピッチ型ランナー向け

2タイプのラインナップがありますが、今回は「スカイ」の方をレビュー致します。

価格

まず、価格が安い。
ライバル勢と比較して、明らかに安いです。ナイキと比べると2割ほどの差があり、フルマラソンのエントリー1回分ほど、お金がうきそうです。
そのせいもあってか、品切れになっており入手が困難な状態に陥ってます。 

ヴェイパーフライ3 36,080円(税込み)
アルファフライ 39,655円(税込み)
メタスピード エッジ/スカイ パリ 27,500円(税込み)
FuelCell SuperComp Elite v4 29,700円(税込み)
アディオス プロ 4 28,600円(税込み)

26.5cmでの重量

今回、最も驚いたのはメタスピードがヴェイパーフライNEXT%3より10gも軽いということです。
ヴェイパーが185g(片側)であるのに対し、本作のメタスピードは172g(右)・172g(左)でした。
アディオス プロに至っては、2足分の左右を測定し、195g・197g・195g・198gでしたので、数値だけ見ると、ただ軽いだけでなくアシックスの重量精度が高いように感じます。


アッパー素材

本作品から「モーションラップアッパー2.0」にバージョンアップしています。
実物をよく見るとわかりますが、工夫が凝らされており、マイナーチェンジではないことがわかります。
内外に補強を貼ったり、生地を重ねることで必要な部分を補強するのが一般的ですが、モーションラップアッパー、及び同2.0は共に一枚生地です。

モーションラップアッパー → 補強の入る横方向は強度アップ、違いがあるのは縦横の2方向のみ
モーションラップアッパー2.0 → 縦横ともに隙間調整を施し、全方位にカスタマイズ

最大の特徴は、パッと見は透けるほど薄い生地のようですが、縦横の繊維の隙間が一律ではありません、縦方向は少し伸びがありますが、横方向はサイドにぶれないよう隙間間隔が短くなってます。また、この隙間部分も部位によって調整が施されており、力の加わる親指付近は隙間が小さく、中指あたりは隙間を広くし、通気性も確保されていました。

シューズ先端部は、外見では目立たず気がつきにくいですが内側から透明のフィルム状の補強が入っています。



シューレース/靴紐・ベロ

滑り止めのヒダがあるシューレースです。ヒダがあるためホールごとに調整ができ、ほどけ難い形状となっています。もちろん軽量です。

ベロ部分は、クッションはなく、一枚の布という感じでペラペラです。軽量化に余念がないことが伝わってきます。

ヒール部分

こちらも工夫が見てとれます。
左右に小さな穴があいており通気を確保します、どれだけの効果があるか不明ですが手が込んでいることが伺えます。

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ヒールカップも湾曲しており、かかとにフィットするよう内側は丸くなっています。他メーカー品と比べると、面で包囲する特徴が顕著で安心感があります。

アウトソール

中足部より前方で着地するため、中央部はアウトソールが貼られていません。
前足部で着地することを求められます。
ミッドソールーアウトソールに段差がほとんどなく、見た目も秀逸です。ただ、荷重はかからないにしてもミッドソールが路面に接することになるため、使用していくと傷は目立ちそうです。

中央部の縦に窪みがあり、HOKAで代表されるロッカー構造でないことがわかります。転がすのではなく、前方着地が前提であると言えます。

ミッドソール

前方から見ると、左右に出っ張っておりパンタグラフ形状になっています。
このパンタグラフ形状は、外側面では着地の際の安定感をもたらします。逆に内側面も負けないくらいボリューミーな仕上がりですが、カーボンプレートの反発をしっかり活かすための措置かと思われます。


シューズを履いた状態で真上から見てもわかるほど張り出していることがわかりますね。

まとめ

前作のメタスピードスカイ+と比較して、約20g軽くなっています。
メタスピードスカイパリはヴェイパー3やアディオスPRO4より軽く、AdiosPRO EVO1 のようなセミプロ向けのシューズを除くと、市販されている中では最軽量と言えます。
立体的なアッパーや、ホールド性の高いヒール部分からもわかるよう、フィット感は非常に高く、サブスリークラス以上のランナーからすると、ほぼ欠点のないシューズと言えます。

注意したい点

アウトソールのパターンを見てわかるように、ミッドフットではなく、明らかにフォアフット着地を前提とするシューズです。
サブ4クラスのや走力の伴わない方は、S4を選択することが無難でしょう。
S4に比べ、幅が5mm程せまく入力ポイントが限定的です。

ミッドソールに幅を持たせ、着地時の安定性を上げていますが、アウトソールの幅は広いとは言い難いうえ、地面を蹴り出すポイントも限られています。地面との着地点、力を加えるポイントなど意識したランニングフォームが必要不可欠です。

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