サブスリーの方なら、30kmくらいは水やスポーツドリンクでゴールまでたどりつけると思いますが、それ以上の距離となると補給が必要となってきます。ハーフマラソンでは補給を用意せず、その日のコンディションによっては水をほとんど飲まなくても完走できますが、フルマラソンでは30km~ゴールまで、パフォーマンスを維持することが記録に大きく影響します。
記録を狙うためには、補給は最低限にとどめたいところです。
今回ご紹介する内容は持ちタイムが 2:45~3:30 くらいの方が対象になると思います。
当日の朝食
学生時代に自転車競技をしていた時期から、当日の直食は3時間前までに採り終えておくことを意識しています。食べるものは、おにぎりや餅のような炭水化物と、味噌汁、お茶などの温かい飲み物も一緒に飲みます。レースを意識しつつ、普段より噛むことに意識し、お茶で流し込みます。
また、フルマラソンは11~3月がシーズンで、寒い時期に開催されるため、保温ボトルに入れたお茶は必ず持参するようにしていました。
補給するサプリメント
メーカーごとに様々な種類があってわかりにくいですが、レース中に摂取するものは2種類と捉えれば良いと思います。
・アミノ酸 系
・炭水化物 系
アミノ酸 系
体内で蛋白質を作る材料となるもので、炭水化物のようなエネルギー源が不足してきた際に力を発揮します。そのためサプリメント自体のエネルギー量(kcal)は低い数字になっています。
製品名は「アミノ酸○○○○mg」「BCAA○○○○mg」となっているものが多く、数字が高いほど多く含まれていることを示しています。
即効性はありませんが、体内に蓄積されたエネルギーを効率良く引き出すための栄養素と言えます。
炭水化物 (エネルギー) 系
アミノ酸と異なり、エネルギー源そのものです。
パッケージの表裏に「エネルギー○○○kcal」と表示されており120~150kcalと記載されているものが多いです。走る最中に携行しますので、内容量50gくらいまでがお勧めです。内容量が大きいと走っている際に揺れて気になるため、あまりお勧めしません。
普通に市販されている180gの内容量のものと比較すると中身が濃いため、味も濃厚です。
補給食の携行
私の場合はランニングパンツの両サイドにクリップ留めして、走ります。
文房具屋にある、一番サイズの小さいダブルクリップを使用しています。
粉末タイプは切り口に向きがあるため、クリップを外すとすぐに飲めるよう、スタート前に開封しておくと良いでしょう。走っている際中にズレて落ちたりしないか時々確認するようにしています。
走りの妨げにならないよう、ウエストのサイドに取付けます。
摂取のタイミング
レース開始前
スタートの30分~1時間前にアミノ酸系を摂取します。
レース開始後の前半に効力が出るように意識しています。大会会場で着替えた後に、多くのランナーが飲んでいるのがこのタイプです。
レース開始前ですので、携行タイプではなくゼリーや粉末タイプでも良いでしょう。
レース開始 5~10km
スタート直後はランナーが一斉に走り出すため込み合います。
最前線に近い場所からスタートした場合も、混雑しているとペースがあげられず焦ることもある一方で、気づかない内にペースを上げすぎることもあります。最初の3kmくらいまではGPSウォッチでペースを確認しながら、客観的に自分のペースがプラン通りであるか見ておく必要があります。
ほとんどのマラソン大会では5km間隔で給水パートがあり、水・スポーツドリンクの配給があります。寒い日であればスタート直後5kmですぐにドリンクを飲んでおく必要性は感じませんが、気持ちを落ち着かせるために、吐き出しても良いので、いったんは口に含ませておくことをお勧めします。
10~15km
その日の自分の調子がつかめてきます。
普段と違いレース用シューズを使用し、軽装で望むため調子が良く感じることが多いでしょう。
体が温まってきて気持ちもポジティブになるため、ペースを上げすぎていないか注意が必要なパートです。
後ろから抜き去っていくランナーも多く、どの集団や選手と一緒に走るか迷うことも多くありますが、目安としては集団の人数が多い方がペースが安定するため安心して走れます。
この区間で自重せず、調子が良いと思ってペースをあげ過ぎると、20km以降になって取り返しがつかなくなります。周囲のランナーを見ながら、自分の息があがっていないか、余裕を持って走れているか確かめながら走ると冷静でいられます。
逆に設定ペースより遅い集団に紛れてしてしまうこともあり、先に行くか集団に留まるか判断を迫られるケースもあります。とにかく設定ペースから外れないよう注意が必要です。
15~20km
スタートから1時間~1.5時間経過したところで、ここから残り1.5~2時間を走りきらねばなりません。そこで、15km過ぎから携行していたアミノ系の補給を行います。一般的にはジェルタイプが飲みやすいですが、あえて粉末タイプもお勧めしたいと思います。
走っている最中に粉末を飲むことは難しいので、少しずつ口に含ませながら取り込んでいきます。美味しくはありませんが味が濃いため集中力が増すのと顆粒が水と混ざると発泡することで胃の中で膨らみ満腹感が出てきます。満腹感が高まるとやる気がみなぎってきます。
20~25km
エネルギー系の補給をとります。
とくに20km~と決めているわけでなく、20kmまでに摂取することもあります。折り返しまで来るとゴールタイムの予測ができます。また10-15kmでハイペースで突っ込んだ場合、体に傷みが出てくることがあります。筋肉が硬くなり、左右の足で疲れ度合いが違うこともあります。
30~35km
前半と同じようにアミノ系・エネルギー系を1つずつ補給します。
実際に体内でのエネルギー源となっているかは不明ですが、集中力も落ちてきますしハンガーノックに陥ると心拍数が落ちてしまうので、それを防止するためでもあります。
レース中に落としてしまうこともありますが、どちらか1つの補給でも問題ないことが多いです。
足のバネ感がなくなり歩幅が小さくなってくれば、腕振りをして意識して走ることが大事です。
35km~ゴール
35kmを過ぎると我慢比べの時間帯になってきますし、気温の高い日は喉が渇き甘いものを受け付けなくなることもあります。暑い日は水をかけて体温を下げたり、ドリンクをこまめにとってゴールまで向かいます。
ゴール後
疲れを残さないようゴール直後にアミノ系を1つ摂取します。完走した際に手渡されるスポーツドリンクはその場で飲むことはありますが何本も飲まないよう心がけています。
また、レース後は胃が弱ってしまい、普通に食事をすると気分が悪くなることがあるため帰宅するまでは、食事は控えめにしています。
水分不足になっているため、帰宅後もその日のうちは暖かいお茶を小刻みに何度も飲むように心がけています。
まとめ
・フルマラソンでは走りの妨げとならないよう、最低限の補給を携行して望みましょう。
・補給には2種類あり、セット使用がお勧めです。
①エネルギー効率を良くする
②エネルギー源となる
・レース前後の摂取も重要ですので、水分補給はしっかりしておきましょう。
・レース中、粉末タイプは飲みにくいですが空腹感が解消される大きなメリットがあります。
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