アディゼロ ボストン 13 レビュー
アディゼロ ボストン 13がついに登場しました。
アディダスの名作トレーニングシューズ「ADIZERO BOSTON」シリーズは、世界最古の市民マラソン大会であるボストンマラソンからインスパイアされたランニングモデルで、1982年の誕生以来、長年にわたり多くのランナーから支持されてきました。
最新作となるボストン13は、レース本番から日々のポイント練習、ペース走まで幅広く対応する高機能オールラウンドモデルとして進化しています。
「すべてはアスリートのために」というアディダスのコンセプトのもと、前作に引き続き**フルレングスのグラスファイバー製5本指ロッド「ENERGYRODS 2.0」**を搭載。
推進力と安定性のバランスを保ちながら、**低密度・高反発素材「LIGHTSTRIKE PRO」**を約13.8%増量しつつ、全体の軽量化にも成功しています。
ボストン12とボストン13の違い(比較表)
| 項目 | ボストン12 | ボストン13 |
|---|---|---|
| 発売時期 | 2023年6月 | 2025年5月 |
| 重量(26.5cm) | 約255g | 249-254g |
| ミッドソール素材 | LIGHTSTRIKE PRO + LIGHTSTRIKE | LIGHTSTRIKE PRO(増量) + LIGHTSTRIKE |
| プレート / ロッド | ENERGYRODS 2.0(グラスファイバー) | ENERGYRODS 2.0(グラスファイバー) |
| アウトソール | Continentalラバー中心 | Continental + LIGHTTRAXION |
| 特徴 | 安定感重視・練習向け | 軽量化・反発と安定性の両立 |
※両モデルともカーボンではなくグラスファイバー製ロッドを採用している点が特徴です。


外観
前作ボストン12に続き、配色によっては分かりにくいものの、上位モデル「Adizero Adios Pro 4」に近いシルエットを採用しています。


ミッドソールを色分けすることでシャープな印象を与え、一見すると厚底に見えにくいデザインですが、実際にはヒール厚36mmを確保した本格的な高機能トレーニングシューズです。

本作から足首周りとシュータン部分はクッション性を高め、ホールド性を改善しています。
シュータンは幅の広いベルトが足を包み込む構造でフィット感も良好です。




アッパー
アッパーには粗めで強度のあるエンジニアードメッシュを採用。
部位ごとに強弱は付けられているものの、特別なギミックは少なく、あくまで耐久性と実用性を重視した作りです。


インソール
インソールはスポンジ状ではなく、軽量性を重視した素材を採用しています。
クッション性は控えめで、ナイキのボメロやペガサスと比較すると、快適性よりも走行時の軽さを優先した印象です。


ミッドソール構造
ミッドソールはENERGYRODSを挟む二層構造。
- 上層:柔らかく反発性のある LIGHTSTRIKE PRO
- 下層:安定感と耐久性を重視した LIGHTSTRIKE


エナジーロッドの特性を最大限に活かしつつ軽量化を図るため、インサイド側の下層は大きく削減。一方、アウトサイド側はクッション性を重視し、中足部より前方では下層までを上層素材がカバーする構造になっています。
アウトソール
アウトソールには、
- 耐久性の高い Continentalラバー
- 軽量で高グリップな LIGHTTRAXION(PRO4採用素材)
を組み合わせて配置。
なお、ボストン13以上の上位モデルにのみ Continentalラバーが採用され、Adizero SL以下のモデルには使われていません。
ラバー厚は約3mmあり、耐久性も十分。
かかと外側にはわずかな傾斜を付けることで、スムーズな接地と足運びを促しています。

履き心地・走行感
ドロップは6mmと低めで、ヒール接地部には硬さのあるLIGHTSTRIKEを配置。
ENERGYRODS搭載モデルとしてはクセが少なく扱いやすい印象です。
一般的なカーボンプレート搭載シューズと比べると硬さは感じますが、その分安定感は高め。
沈み込みは小さく、反発も過度ではありません。
重量は約250g(26.5cm)と、レーシングモデルと比べれば軽量ではありませんが、
その分耐久性・安定性・汎用性のメリットが大きく、
- カーボンシューズの入門用
- 中級者以上の練習用
- ペース走・テンポ走
と幅広く対応できる一足です。
アディダスでは、PRO4・Takumi Senがカーボン製エナジーロッドを搭載するエリートモデルとして位置付けられており、
ボストン13が耐久性を重視した立ち位置であることは、多くのランナーにとってありがたい存在と言えます。
ミッドソール硬度バランス
上下層とエナジーロッドの配置は非常に考えられており、
ヒール部と前足部内側に硬めのLIGHTSTRIKE、前足部外側にLIGHTSTRIKE PROを配置することで、安定性とクッション性の両立を実現しています。
硬さ目安(参考)
- LIGHTSTRIKE PRO(上層):40
- LIGHTSTRIKE(下層):60
- アウトソール:85
気になる点・注意点
前足部アウトサイド側は柔らかいLIGHTSTRIKE PROのみの構成のため、
蹴り出し時に親指付け根(コンチネンタルラバー部)を意識しないと力が逃げやすいと感じました。消耗の激しい部分も3㎜ほどの厚みがあり耐久性は高そうです。

また、ボストン11までのフラット寄りなアウトソールと比べ、
ボストン12・13は上位モデルに近いロッカー形状となっており、
蹴り出しにある程度の脚力が必要な点は注意が必要です。

まとめ|アディゼロ ボストン13はどんな人におすすめ?
アディゼロ ボストン13は、
- レーシングモデルに近い構造
- 高い耐久性
- 扱いやすいENERGYRODS
を兼ね備えた、**「本気で走るための練習用シューズ」**です。
カーボンプレートに不安があるランナーのステップアップ用としても、
中級者以上のデイリートレーナーとしても活躍する、完成度の高い一足に仕上がっています。
スピード練習と安定性を両立したいランナーには、間違いなく有力な選択肢です。
比較するなら
・デヴィエイトニトロ4(PUMA)
ボストン13とほぼ同じ重さ、ミッドソールに反発力のあるNITROフォームを使用し、ボストン13と似た特性
・ズームフライ6(NIKE)
ボストン13より少し軽量、ミッドソールのクシュロン・ZOOMXは柔らかく安定性は低い。よりカーボンプレートの特性を活かしたつくりで、カーボンのしなりが感じられます。ミッドソールが柔らかいので、ボストン13より上級者向け。
・マジックスピード5(ASICS)
ボストン13よりかなり軽量190g。カーボンプレートを搭載しミッドソールは異なる素材の2層構造。クッション・反発性は弱いが軽量であるため練習より本番向け。


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