Adizero Adios PRO 4 /アディゼロ アディオス プロ4 (ADIDAS/アディダス)

シューズ

2024年11月に発表されたAdios PRO4はロッド状のカーボンファイバーが配されたのシリーズ4作目のレーシングシューズです。発売すぐに完売状態となり、期待度がたいへん高いことが伺えます。アディダスのラインナップではADIZERO ADIOS PRO EVO 1がハイエンドモデルとなりますが、8万円以上する価格帯であることから、一部の実業団選手や学生トップランナーしか使用しておらず、一般の店舗では販売されていません。そのためAdiosPRO4が一般向けのハイエンドモデルと言えるでしょう。アシックスならメタスピード、ナイキならアルファフライと競合しますが、昨今3万円以上するカーボン入りシューズが増えてきた中では、26000円(税抜き)は、良心的な価格設定です。
さっそく、購入したのでレビュー致します。

価格

機能面ではなく、敢えて価格のお話からです。
一時はヴェイパーフライNEXT%が、国内トップレースではかなりのシェアを占めてましたが、パリオリンピックあたりからアシックスが追い上げてきた感があります。


ヴェイパーフライ3 36,080円(税込み)
アルファフライ 39,655円(税込み)
メタスピード エッジ/スカイ パリ 27,500円(税込み)
FuelCell SuperComp Elite v4 29,700円(税込み)
アディオス プロ 4 28,600円(税込み)

ナイキが頭ひとつ抜けている感がありますが、それに対抗してきたアディダスとしては、アディオス プロ 4 は比較的リーズナブルです。
マラソンシューズの多くはカーボンプレートが採用される前まで、高くても16000円くらいでした。当時、サブスリーランナーにとって使用率の高かったターサー(アシックス)は13000円程のため、財布にも優しく、シーズン中は様々なシューズを試しながら履けましたが、価格が3万円近くになると1シーズンで複数を履き比べることが、一般のランナーにとっては難しく感じます。
ランナーにとってランニングシューズは唯一の機材ですので、もう少し安くして欲しいですね。あるいは下取りに出せば、ニューモデルが安く購入できるなど考えて頂きたいものです。

NIKE
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重量

公式サイトでは27.0cmの重量(片足)が記載されています。
当方が購入したサイズは26.5cmですので、おおよそ相違はありませんが、個体によるバラつきは少しあるようです。前作のPRO3から、かなり軽量化されています。

26.5cmのシューズ2足を片足ずつ測定しました。 195g・197g・195g・198g

ADIDAS公式 重量(27.0cm)
・JAPAN 9 177g
・TAKUMI SEN10 200g
・Adios PRO 4 200g
・Adios PRO 3 215g

アッパー

LIGHTLOCK/ライトロック
前作のPRO3では「NEW SUPERLIGHT MESH」から刷新されており、軽量化に貢献しています。
極薄の生地で、ナイキの初代NEXT%のヴェイパーウイーブとも似た感じがあります。ツルツルしていますが、100倍で拡大すると編みこんだ素材(平織り)であることがわかりました。濡れると水が浸み込みますが、見た目とは対照的に伸縮性もあり通気性は確保されていると思います。

ロッキングバンド
シューズ内側、アッパーとベロの縫い合わせ部分にイエローの帯状の補強が2本入っています。シューレースを締めた際に、均等に力が加わり左右から包み込むように設計されているようです。



また、シューレースホールにも補強が入るサンドイッチ構造になっており、生地は薄いですが固くてホールが広がらないようになっています。

シューレース

靴紐は意外に普通です、以下のような特徴はありません。
・先端にロゴが入る
・テーパー状になっていて、シューズ先端を通す部分が太く、結ぶ方は細い
・緩み止めのためヒダがある
シューレースを通す際、シューホールに通すのが固めなので、部分的な緩急の調整がし易いと感じました。

ヒール部分

マラソンのレギュレーションに合わせて40mm以下です、それを意識して内側に39mmと表示されています。同時期に発表されたAdizeroJAPAN9にも同じマーキングがあり、こちらは27mmとなっています。

マラソンシューズのレギュレーション
・靴底の最大の厚さ:40mm以下
・カーボンプレート:内蔵できるのは1枚まで

エナジーロッドを挟み込むためミッドソールは2枚を重ね合わせた構造です。地面と接地する部部分にはアウトソールが貼り付けてあり、ミッドソールが地面とすれることはありません

ナイキのヴェイパーフライNEXT%は中央部のミッドソールに石粒が刺さることがありましたが、本作品は大丈夫そうです。ただ、ヒール部分のアウトソールの厚みは1mm程しかなく、かなり薄いのでフォアフット着地できない走り方では、すぐにヒール部がすぐに擦り切れる恐れがあります。

アウトソール中央部

3段の層を見せるビジュアルになっていてカッコいいです。
横幅は広く取っていて重量増ともなりそうですが、シューズ外側にて着地した際の位置エネルギーを蓄えられるよう接地時間を稼ぐ構造になっているのではないかと思われます。

アウトソール先端

目を引くのがイエローのContinentalラバーです。通常のランニングシューズであれば親指の付け根(母趾球)あたりが消耗しますが、本商品はロッカー構造の特性を活かすため、親指+人差し指+母趾球を使って地面を押し出すことを前提にしていると思われます。
Continentalラバーの面を地面にあてると以下のような角度になります。

Continentalラバーの手触りは、しっとりしていてグリップ力が高そうです。

更に目を引く点としては、Continentalラバーを配する内側と比較して、外側はアウトソールのトレッドが排されている点です。指で押すと凹むほど柔らかく薄いので注意が必要です。正しい使い方をすれば、支障ないということでしょう。

また、ミッドソールにも切れ込みがあり、軽量化のためか取り除かれたようになっています。そのため、外側から着地し、地面を押した後には、内側から抜けていく入力が必要であると思います。ヴェイパーフライもアウトソール先端が内側にオフセットされていましたので、このあたりのコンセプトは同じということでしょう。

まとめ

前作のAdios PRO3 から、大幅な進化を遂げたことがわかります。
かなり軽量化されたので、PRO3からPRO4はもちろん、ナイキ・アシックスから切り替えのハードルも下がっていると思います。

PRO3からの変更点
アッパー:NEW SUPERLIGHT MESH → LIGHTLOCK
アウトソール:LIGHTWEIGHT TEXTILE RUBBER → LIGHTTRAXION
ミッドソール:LIGHTSTRIKE PRO (変更なし)
カーボンパーツ:ENERGY RODS 2.0(変更なし)
片足重量:215g → 200g

注意点としては、アッパー+アウトソールが変更されておりマイナーチェンジではありません。Continentalラバーの部位が変更されたり、軽量化のためソールが薄い箇所があるため、特性を発揮するには設計に合わせた走り方を掴む必要があります。

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