【Adizero PROEVO1 vs EVO SL Woven】違いを徹底比較|EVO SL WovenはPROEVO1の共通項とは?

シューズ

はじめに|EVOSL Woven登場の背景

Adidasのトレーニングモデルとして展開されてきたEVO SLがマイナーチェンジされ、新たに「EVO SL Woven」として発売されました。今回のEVO SL Wovenは、EVO SL初版モデルで展開されていたブラックとホワイトの2色を改めて採用し、シリーズとして再構成された形となります。

このタイミングを機に、EVOシリーズの頂点に位置する「Adizero PRO EVO1」と、デイリートレーニングモデルとして位置づけられる「EVO SL Woven」を比較しながら、それぞれの立ち位置や特徴、履き心地の違いについて整理しました。


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Adizero PROEVO1とは|シリーズの頂点に立つレーシングモデル

AdidasのAdizeroシリーズの中でも、特別な存在として位置づけられているのが「Adizero PRO EVO」です。レースでのスピードを最優先に設計されたフラッグシップモデルで、徹底した軽量化と高い反発性能を追求しています。

耐久性や汎用性よりも、記録更新を目指すランナーのための一足であり、走行感は一般的なカーボンシューズとも異なります。エナジーロッドを搭載しながらも、ミッドソールやアウトソールは極限まで削ぎ落とされており、「走るための道具」として割り切った設計思想が随所に感じられます。


EVO SL Wovenとは|PROEVO1の思想を取り入れたトレーニングモデル

一方の「EVO SL Woven」は、PRO EVO 1をベースに日常のトレーニング用途として展開されているモデルです。EVO SLはPRO EVO 1のデイリートレーニングモデルという位置づけで、デザインやシルエットは非常によく似ており、見た目だけを見ると両者はほとんど区別がつきません。

ただし、価格を抑えるために素材や構造が見直されており、スペックは大きく異なります。それでも、ミッドソール形状やシューズ全体の方向性には共通点があり、PRO EVO 1のキャラクターを一部体験できる点がEVO SL Wovenの特徴と言えるでしょう。

カラーリングは2色を基調としたシンプルな構成で、PRO EVO 1シリーズとして他のAdizeroシューズとは異なるグループであることを明確にしています。トレーニングモデルでありながら価格は19,800円(税込)とやや高めであり、その評価は使用目的によって分かれる印象です。


スペック比較|Adizero PROEVO1 vs EVO SL Woven

項目PRO EVO 1EVO SL Woven
価格82,500円(税込)19,800円(税込)
ミッドソールLIGHTSTRIKE PRO EVOLIGHTSTRIKE PRO
アウトソールオリジナルアウトソールコンチネンタルラバー
実測重量(26.5㎝)128g・131g220g・220g
モデル区分レーシングモデルデイリートレーニングモデル
エナジーロッド搭載非搭載

外観の違い|似ているからこそ分かりにくい差

遠目で見ると、両者は見分けがつかないほどよく似ています。写真でPROEVO1のアッパー色がグレーに見えるのは、生地が薄く透けているからです。
走っている際の判別ポイントとしては、アウトソールのカラーリングが異なるため、そこが一つの目安になります。エリート選手が使用しているのはPRO EVO 1であり、アウトソールがブラックであればPRO EVO 1と判別できます。

細部を見ると、アディダスの象徴である3本ラインの配置にも違いがあります。

  • PROEVO1:前方のラインが長く、シューズ前方に配置
  • EVO SL Woven:3本線の長さが均等で、シューズ中央に配置

ミッドソールの表記が異なります。
LIGHTSTRIKE PROは、PRO4・TAKUMISENをはじめ、多くのシューズに使用されていますが、LIGHTSTRIKE PRO EVOは、PROEVOにしか使用されていないプレミアムモデルです。

PRO EVO 1 : LIGHTSTRIKE PRO EVO
EVO SL : LIGHTSTRIKE PRO


アッパーの違い|軽さ重視か、フィット感重視か

PROEVO1のアッパーは超軽量で、実際に履いてみると伸縮性がほとんどなく、フィット感は決して良いとは言えません。NIKEのヴェイパーウィーブや、ASICSのエンジニアードメッシュと比較しても伸びが少なく、とにかく軽さを最優先した設計であることが分かります。

一方、EVO SL Wovenはマイナーチェンジによってアッパーが変更され、フィット感が明確に向上しました。特に両サイド部分は生地が薄いながらも適度な伸びがあり、足との一体感が改善されています。拡大して見ると、伸縮性をもたすようにクロスに織り込まれた生地にゆとりがあることがわかります。

PRO EVO 1(倍率:100)
EVO SL(倍率:100)

アウトソールとロッカー特性の違い

PRO EVO 1はロッカー特性が非常に強く、アウトソールの反りも大きめです。自然と体が前に出る感覚があり、シューズが走りをリードしてくれます。

アウトソールを重ねると、PROEVO1の方が先端の開きが大きいく、ロッカー特性がより高いことがわかります

EVO SL Wovenはややフラットな形状で、PRO EVO 1ほどのロッカー感はありません。ただし、トレーニングモデルとしてはアウトソールがかなり薄く接地感は良好です。コンチネンタルラバーを採用しているため、グリップ力は高く申し分ありません。


硬度比較|数値から見る両者の違い

PRO EVO 1はエナジーロッドを搭載しているため、ミッドソール自体は柔らか。一方で、軽量性を優先しているためアウトソールは薄く、強度は最低限です。

EVO SL WovenのアウトソールはPRO EVO 1より硬さがありますが、AdidasのトレーニングモデルであるBoston 13と比べると薄く、柔らかめです。

硬度PROEVO1EVO SL Woven
ミッドソール3240
アウトソール(前足部)4060
アウトソール(ヒール)4065

なぜ?EVO SLはエナジーロッド非搭載

キャラクターの重複を避けるため

Adidasのラインナップにおいて、エナジーロッド搭載モデルはPROEVO1、PRO4、TAKUMI SEN、Bostonなどが存在します。EVO SLがエナジーロッドを搭載すると、これらのモデルと個性が重なってしまいます。

トレーニングモデルとしての汎用性

EVO SLはEVOシリーズのトレーニングモデルという位置づけであり、反発力よりも汎用性を優先した設計と考えられます。

重量増加を避けるため

PROEVO1に近いルックスを維持したままエナジーロッドを搭載すると、重量がBostonに近づく可能性があり、それを避けた判断とも受け取れます。

バウンス系シューズとしての役割

近年はカーボンプレート非搭載でも、高反発を実現したミッドソールを持つシューズが増えています。Adidasでは薄底のADIZERO JAPANが該当しますが、厚底タイプが存在しなかったため、そのポジションをEVO SLが担っていると考えられます。


履き心地レビュー

PROEVO1の履き心地

シューズが非常に軽く、エナジーロッドによる反発はリズムよく感じられます。地面を蹴るというより、ボールが跳ね返るような感覚で、ロッカー特性によって自然と前へ進みます。

体力を消費せず、リズムよく跳ねることで前進できる点が特徴ですが、着地は足裏全面ではなく点に近く、次の一歩を素早く繰り出す必要があります。反発に合わせたピッチを意識すると、シューズが体を前方へ運んでくれるように感じます。

また、アッパーは伸縮性がないためホールド感は弱く、シューズとの一体感が低い点は、予め理解しておく必要があります。

EVO SL Wovenの履き心地(PROEVO1との比較)

クッション性は控えめで、ミッドソールは硬く沈み込みが小さい。反発もPROEVO1と比べると穏やかで比較対象になりません。

ホールド性は良好ですが、ヒール部分に厚みを感じるため、コーナーではやや不安定さを感じる場面がありました。ヒールアウトソールの横幅があることで、引っかかりを感じる点も気になるところです。

アウトソールの配置は同じ
EVOSLの方が、シューズ全長は縦に長い

まとめ|EVOSL WovenはPROEVO1の代わりになるのか

EVO SL Wovenは、PRO EVO 1のトレーニングモデルとしてリリースされましたが、当然ながらr両者は素材や構成部品が大きく異なり、まったく別物です。一方で、ミッドソールの形状やサイズを共通化することで、PROEVO1のキャラクターを一部体験できる点はセールスポイントです。

ただし、素材の違いにより、全体としてややアンバランスに感じる部分もあります。ヒール部分はフラットで安定感が高いため、アウトソール面積を小さくしてもよいと感じます。また、前足部外側は消耗しやすいため、アウトソールの追加を期待したいところです。

また、シューズ全体が縦長で、厚底のわりにロッカー特性の不十分さを感じます。

対象となるランナー|どんな人におすすめか

Adizero PROEVO1が向いているランナー

価格やコストパフォーマンスを考慮すると、実際に購入・使用を検討するランナーは限られると思いますが、ミッドソールが非常に柔らかいため、使用できるランナー層自体は意外と広い印象です。エリート選手はもちろんのこと、体幹の筋力がしっかりしてフォームが安定していればサブ3.5前後のランナーでも良いタイムを狙えるでしょう。

一方で、アッパーの保持力が弱いため、シューズとの相性をシビアに感じ取るタイプのランナーには不向きです。走行中は足裏全体をインソール面に丁寧に合わせる感覚が求められ、雑な接地やフォームの乱れがあると性能を活かしきれません。軽さと反発を活かすには、ある程度の走るための技術と意識が必要なシューズと言えるでしょう。


EVO SL Wovenが向いているランナー

EVO SL Wovenを一言で表すと、「PROEVO1を疑似的に体感したい人向けのシューズ」です。エナジーロッド非搭載でクセが少なく、ミッドソールはほぼ均等の厚みで反発も穏やかなため、特別な走力やフォームを求められることはありません。

日常的にランニングをしている人はもちろん、運動習慣づくりや健康目的で走る人など、幅広い層が使用できるモデルです。ただし、継続的なランニング用途として考えると、コンチネンタルラバーを備えたBostonシリーズや、より低価格なSL20の方がコストパフォーマンスは高いと感じます。EVO SL Wovenは性能や価格よりも、「EVOシリーズの走行感を体験する」ことに価値を見出せる人向けの一足です。


対象となるコース|どのような路面・コースに向いているか

PROEVO1が活きるコース

PROEVO1は、リズムよく跳ねるような走行感が最大の特徴です。そのため、地面を強く押す必要がある上り坂や、自然とストライドが伸びる下り坂では、シューズの特性を十分に活かしきれない可能性があります。

最も力を発揮するのは、一定のリズムで高いピッチを維持できる平坦な区間です。体感的にはフラットなコースでは驚くほど体力の消耗が抑えられ、長い距離でも効率的に走り続けることができます。ロードレースや記録狙いのフラット基調コースに最適なシューズと言えるでしょう。


EVO SL Wovenが向いているコース

EVO SL Wovenは厚底で、一定のクッション性と反発性があるため、コースの勾配に対して過度に気を遣う必要がない万能型のシューズです。上り・下りを含む一般的なロードコースでも安定して使用できます。

ただし、アウトソールが薄いため、非整地では接地感こそ良好なものの、耐久性が高いとは言えません。そのため、使用するコースとしては舗装路が適しており、日常的なロードランニングでの使用が前提となります。


最終まとめ|PROEVO1とEVO SL Wovenの選び方

PROEVO1は、価格や扱いの難しさを理解したうえで選ぶ、かなり割り切ったレーシングシューズです。ただ、その分ハマったときのリターンは大きく、正しいフォームと一定のリズムを保って走ることができれば、自分の走力以上のパフォーマンスを引き出してくれる可能性があります。まさに「結果を狙うための一足」と言えるでしょう。

一方のEVO SL Wovenは、PROEVO1の思想やデザインを日常のランニングに落とし込んだモデルで、EVOシリーズらしい走行感の一部を気軽に体験できる点が魅力です。ただし、純粋なトレーニングシューズとして考えると、必ずしもコストパフォーマンス最優先の選択肢ではありません。

最高の結果を求めてレースで使う一足なのか、それともEVOシリーズの世界観を日常のランニングで味わう一足なのか。
両者は見た目こそ似ていますが、役割は大きく異なります。自分の目的や使い方をはっきりさせることで、より納得感のあるシューズ選びにつながるはずです。

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