adidas PRO EVO 1 レビュー|異次元の軽さと安定感、市民ランナーでも使える最先端レーシングシューズ

シューズ

adidas「PRO EVO 1」は、登場と同時にランニングシーンの頂点へと一気に駆け上がった、まさに“異次元”のレーシングシューズ。世界の主要マラソン大会やロードレースにおいて、トップアスリートの足元で次々と結果を残し、その存在感は瞬く間に広がりました。

長年、世界トップランナーの定番として君臨してきたNIKEのヴェイパーフライ(ヴェイパー)シリーズに対し、PRO EVO 1は真正面から競合するモデルとして位置づけられています。特にエリートランナー層では「ヴェイパーか、PRO EVO 1か」という二択が語られるほどで、adidasの本気度を象徴する一足と言えます。

極限まで削ぎ落とされた重量、独自進化を遂げたLIGHTSTRIKE PRO EVO、そして従来の常識を覆す設計思想。PRO EVO 1は単なる軽量シューズではなく、勝つためだけに生み出された“結果至上主義”のレーシングモデル。本記事では、その外観、構造、そして実際の履き心地までを、ご紹介します。


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PRO EVO 1 他のシューズとココが違う

① 価格が高い(8.25万円)

PRO EVO 1は税込8万2,500円という、ランニングシューズとしては異例の超高額モデルです。最先端素材とトップアスリート向け設計に特化し、コストよりも記録更新を最優先した「究極のレース専用機」という立ち位置が価格に反映されています。

② とにかく軽い

最大の特長は圧倒的な軽さ(127g)です。極限まで削ぎ落とされた構造により、シューズの存在を感じさせない足運びを実現。ピッチの維持がしやすく、特にマラソン後半の脚残りに大きく貢献します。
今回測定したサイズ26.5cmは、右:128g 左:131g でした。

③ 耐用距離が短い

PRO EVO 1は耐久性より反発性能を最優先した設計です。メーカー自身が耐用距離を「フルマラソン1回分」と定義しており、複数レースでの使用は想定されていません。まさに一発勝負のためのシューズです。

④ 公式サイトでの販売のみ

購入方法は公式サイトでの販売のみで、試し履きの機会は基本的にありません。入手難易度の高さも含め、特別な一足としての性格を強めています。発売初期は、抽選販売でした。

結果

試し履きができず、予約・抽選販売で購入した高額シューズを、マラソン大会本番でぶっつけ使用せざるを得ない──PRO EVO 1は、覚悟を持つランナーだけが選ぶ究極の勝負靴です。

外観・デザイン|一目で分かるPRO EVO 1の存在感

カラーリングはホワイトを基調とし、トレードマークであるアディダスの3本線が大胆に配置されている。遠くからでもひと目で「PRO EVO 1」と分かる、非常にアイコニックなデザイン。

なお、他のカラーバリエーションは存在しません。あえて選択肢を増やさず、PRO EVO 1という特別なモデル性を強調しているようにも感じられます。


アッパー構造|軽量性と強度を両立した設計

アッパーにはメッシュ構造の生地が採用されており、ガーゼやストッキングのような内部が透けて見えるほど薄く、軽量性を最優先していることが分かります。

シューズ・シュータン部分 の繊維 拡大写真(100倍)

アッパー生地のサイド部分だけは上記の部位と異なり、ざらつき・ムラがあるように見えます。こちらは拡大して見ると格子状の繊維の隙間が部分的に埋まっていることがわかります。必要に応じてサイド部分は強度を確保している点が伺えます。

一般販売されているトップモデルのAdizeroPRO4に使用されるアッパーと比較してみました。伸縮性のある高強度なハイテク素材ですが、EvoProと比較すると一目瞭然です。

シューホールはシンプルな円形で、部分的なフィット調整がしやすい設計。シュータンは先端部分のみが縫い付けられており、徹底した軽量化へのこだわりが感じられます。また、中央部にはクッション性を持たせ、わずかながらシューレースが甲を圧迫しにくい工夫も施されています。


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ミッドソール|LIGHTSTRIKE PRO EVOの実力

アウトサイドには「LIGHTSTRIKE PRO EVO」のロゴが入ります。汎用モデルであるEVO SLが「LIGHTSTRIKE PRO」であるのに対し、PRO EVO 1は素材そのものが特別です。

進化したWOVENアッパーを徹底レビュー

触れた感触は単なる硬めのスポンジ状素材で、高級感という点ではやや控えめですが、NIKEのZOOMXと比較すると、ミッドソールそのものは複数使用に耐えられそうな印象でした。ミッドソールにはつなぎ目があり、少なくとも4ピースのパーツを貼り合わせて構成されていることが分かりました。

内部にはカーボン製のエナジーロッドを搭載しており、少なくとも上下3層を貼り合わせる構造となっている点も特徴です。インサイド側も同様の接着面がありますが、継ぎ目が見えないので、工程上、手間がかかりますが接着後に凹凸を削り除去しているのかもしれません。触れた感触では、構成されるミッドソールのパーツは同じ硬さです。


インソール|あえて「入れない」という選択

PRO EVO 1にはインソールが付属しない。貼り付けられて外せないのではなく、インソールそのものが存在しない設計です。

ただし、足を入れた際の肌触りは良好で、ヒール部分には適度な補強もある。そのため、シューズ内での足の倒れ込みについては、過度に気にするレベルではないと感じられます。


アウトソール|常識を覆すフラット構造

アウトソールは非常に特徴的で、一般的なラバーアウトソールとは異なり、溶かしたゴムを貼り付けたような構造。薄いながらも剥がれる心配はないが、指で押すと凹むほど柔らかい。ヒール部分の白色のアウトソールは下地のミッドソールの縞模様が見えるほど薄い。ほぼ段差がないのでミッドソール&アウトソールが同時に接地する状態となり、良好な安定感に貢献します。

トレッドパターンは一切なく、凹凸のない完全なフラット設計。この割り切り方も、PRO EVO 1が純粋なレーシングシューズであることを物語っています。より軽くするために先端部外側のアウトソールも排除されています。


重量|驚異的な軽さと個体差

  • 右足:128g
  • 左足:131g

驚異的な軽さを実現している一方で、左右に若干の重量差がある点は意外でした。高額なシューズだけに、より厳格な重量管理を想像していたが、実測では差が出ています。


履いた感触|想像以上に扱いやすい一足

履いた瞬間に感じるのは、とにかく軽いこと、そしてミッドソールにしっかりとした強度があることです。
この手のシューズは、ヒールがフワフワして直立時にかかとが沈み込むことも多いが、PRO EVO 1はその沈み込みがに偏りがなく安定感が高い。さらに前後の連結部分である中足部のミッドソールが意外としっかりしていて一体感も高い。
NIKEのZOOMXやadidasのLIGHTSTRIKE PROと比べてもミッドソールが硬く、シューズ自体も弱い力では曲がらないほどの剛性を持っています。

一部のエリートランナー専用のスーパーシューズでありますが、意外と尖った性格ではなく他社の3万円前後のカーボンプレート搭載シューズよりも扱いやすいと感じました。


まとめ|PRO EVO 1は「速さ」を純化した究極の一足

アッパー素材や価格のインパクトに目を奪われがちだが、実際に履いてみると、その設計思想は非常に合理的、カーボン製のエナジーロッドの露出がないシンプルなシューズです。
経済的な余裕があるランナーであれば「本気でタイムを狙いたいランナー」にとって、PRO EVO 1は間違いなく検討する価値のある一足です。
注意しておきたい点として、PRO EVO 1は爆発的な反発力を売りにしたシューズではないということが挙げられます。このシューズは強い反発でスピードを押し上げるタイプというより、軽さを活かしてエネルギー消費を抑え、42.195kmを通してペースを落とさずにパフォーマンスを発揮する設計です。

1kmあたり3分前後で走るエリート選手にとっては非常に重要な特性ですが、一般的に30km以降で大きくペースダウンしてしまうようなペース配分では、この超軽量というメリットを十分に活かしきれない可能性も高いと感じました。

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