ランニングシューズ選びで迷うとき、最新モデルの性能差は気になるポイントです。
ナイキの「ズームフライ6」とアシックスの「マジックスピード4」は、いずれもカーボンプレートを搭載しながら、比較的手の届きやすいミドルグレードのランニングシューズとして人気を集めています。
本記事では、両モデルの特徴・履き心地・適したランナー層を比較し、あなたに最適な一足選びの参考になる情報をお届けします。
見た目の印象とデザイン

ズームフライ6
ズームフライ6は、アウトサイドにカーボンプレートがのぞく切り込みが入っており、そのディテールからもスピードを感じさせます。シャープでエッジの効いたデザインは、見るからに“速そう”。
さらに、グラデーションのカラーが動きを引き立て、全体をよりスポーティーでダイナミックな印象に仕上げています。履くだけで気分が上がる一足です。

マジックスピード4
アシックスのラインナップの中では、ハイエンドモデルを除くと数少ないカーボンプレート搭載シューズです。
外観からはカーボンプレートの存在がわかりにくいですが、シューズの裏側からカーボンプレートが見える設計になっています。前作「マジックスピード3」から続くデザイン構成です。
サイドに切り込みがあるズームフライ6とは対照的に膨らみがある部分には、内部に配置されたクッション素材”FF Turbo”のロゴが入ります。

重量比較
2足(26.5㎝)を左右にわけて、計4回測定しています。
わずかに、マジックスピード4が軽量です。
見た目の印象は大きく異なる2足ですが、重量差は小さいと言えるでしょう。
| モデル | 重量 |
|---|---|
| ズームフライ6 | 238~241g |
| マジックスピード4 | 230~234g |

アッパーの違い
ズームフライ6
二重構造のアッパーを採用しており、ホールド感と通気性を両立しています。前足部のアッパー生地は均一です。
マジックスピード4
エンジニアードメッシュを採用。部位ごとにメッシュパターンを変えることで、通気性とサポート性のバランスを取っています。
同シリーズの下位モデル「エヴォライドスピード」「ハイパースピード」では、ここまで細かいメッシュの配置はありません。

足首まわりの設計
ズームフライ6はクッションが厚めで柔らかい履き口、マジックスピード4はコンパクトでミニマルな形状が特徴です。
見た目には大きな違いがありますが、どちらも履き心地は良好です。
- ズームフライ6 → 柔らかく包み込むクッション性重視
- マジックスピード4 → ぴったりフィットするホールド性重視

ミッドソールの特徴と反発感
厚みの違いはありませんが、素材の性質に違いがあります。
ズームフライ6のzoomXは柔らかく、沈み込みが感じられるソフトなクッション。
一方、マジックスピード4はやや硬めで、反発感のある仕上がりです。
デザイン面では、ズームフライ6はエッジの効いた艶やかな塗装が印象的ですが、ナイキのシューズは全般的に、汚れや剝がれが目立ちやすい点が弱点。
マジックスピード4は落ち着いたデザインで、機能重視のやや無骨な印象です。厚底シューズが売り出された頃は、このようなモッサリした形状のシューズが多かった印象です。


アウトソールの構造と耐久性
両モデルに共通するのは、軽量化と視覚的アピールを意識した構造です。
カーボンプレートが見えるようにミッドソールとアウトソールをくり抜き、さらに軽量化のための肉抜きが施されています。
マジックスピード4は、先端外側の力がかかりにくい部分のみ肉抜きしており、耐久性を確保。
対してズームフライ6は、センター部分を縦にアウトソールを排除、耐久性がやや劣る印象です。この設計は上位モデル「アルファフライ3」から受け継がれていますが、ズームフライ6ではアウトソールの摩耗が早く、結果的にコスパが悪くなります。
アウトソールパターンにも違いがあります:
- ズームフライ6 → 凸形状(柔らかく接地感が良いが摩耗しやすい)
- マジックスピード4 → 凹形状(硬めで耐久性が高いが接地感は硬い)

形状面では、ズームフライ6は横幅が広く、マジックスピード4は細長いシルエットです。
ズームフライ6には“NIKE FLYPLATE”のロゴが入り、テクノロジー感が強調されていますが、マジックスピード4は無機質で控えめな印象です。

実走レビュー:走りの感触を比較
ズームフライ6
柔らかいクッションで接地感がソフト。反発力は強くありませんが、フォアフット着地を促し、フォアフットでの走りをスムーズにしてくれます。
ただし、ミッドソールの柔らかさと隙間が多いことで、捻じれに弱く安定性にやや欠ける印象もあります。
また、ヒール部分のオフカット設計により、ミッドフット〜フォアフットでの着地がしやすいのは好印象です。

マジックスピード4
前作3からの変更点として、幅広いランナー層の使用を受け入れる汎用性重視の設計に進化しました。
アウトソールが前後連結したフラット構造となり、アッパーとの一体感による高い安定性が特徴です。着地時のエネルギーは、カーボンプレートにより反発に変えることがポイントではありますが、シューズの特性上、跳ねるというより転がるイメージが合うシューズです。
全体としてクセが少なく、トレーニングからレースまで幅広く使えるバランスの取れた一足です。
まとめ:どちらを選ぶべき?
| シューズ | 特徴 | 向いているランナー |
|---|---|---|
| ズームフライ6 | 柔らかくクッション性が高い、シューズ全体の剛性が低い。デザイン重視。 | フォアフット着地派・ナイキ愛用者 中級者~上級者向け |
| マジックスピード4 | 安定性と反発のバランスが良い。汎用性が高い。 | オールラウンドに使いたいランナー 中級者以下でも使用可能 |
どちらも優れたカーボンシューズですが、安定性を重視するならマジックスピード4、クッション性とデザイン性を重視するならズームフライ6がオススメです。
比較するなら
今回は、アシックスvsナイキの比較でした。
アディダスのシューズを選択肢に入れるなら、こちらがお勧めです。
アディゼロ ボストン13
カーボンプレート搭載のトレーニング用シューズ
・重量は250g △
・マジックスピード4・ズームフライ6より低価格 〇
・ソールの耐久性は ◎
アディゼロ EVO SL
カーボンプレート非搭載の超軽量シューズPRO EVOの汎用モデル
・重量は220g ◎
・マジックスピード4。ズームフライ6より高額 △
・ソール耐久性は △
・ミッドソールのクッション性が良くランナーの走力を問わないシューズ


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